借入限度額が増額されたのは優良顧客の証しです?!

キャッシングを長く利用していると、ATM操作時に、限度額を増やす事が出来る旨の案内が表示される事があります。いつの間にか勝手に増額されているという事は無く、その都度、申し込み専用の端末で、新たな契約を行う必要がありますが、そこでNGが出る事はまずありません。

限度額を増やす案内の来るのは、これまで返済の遅延が無く、そしてほぼ限度額一杯に借り入れを行っている顧客です。きちんと返済してくれるのであれば、業者としては、出来ればもっと沢山借りてもらって、今以上の利息をきちんと支払って貰いたいわけです。つまり、業者にとっての優良顧客であるという判断なわけですが、果たしてこれは喜ぶべき事でしょうか。

返済の遅延が発生すれば、顧客のデータベースにその事実が登録され、他の業者からも借り入れが困難になりますが、逆に優良顧客と判断されたからといって、その人の信用が上がるというものではありません。限度額が倍になったからといって、銀行から住宅ローンが借り易くなるといった、そういう社会的メリットは何もありません。単純に、個々の消費者金融から借りられる限度額が増えるだけです。そして、一般論ですが、たとえば限度額が50万円から100万円に増える事によって、あたかも預金の残高が増えたような錯覚をしてしまい、これまで50万円の借り入れで何とか済んでいた借金のはずが、必要も無かったお金をさらに借りてしまう羽目になるだけです。

生活する上で必要なお金というものは、人それぞれですが、それでも大概の人は、消費者金融の限度額程度では、これで十分、という金額には程遠いものです。そうして、あればあるだけ使ってしまうという結果になります。もちろん誰もがそうならないように自分を戒め、節約をし、いざという時の為に貯金をしていますが、限度額一杯まで長期間お金を借り続け、消費者金融から優良顧客と判断されるような人に、はなから自分を厳しく律することなど望めるはずもありません。これ以上、借金を増やさないで済む為の限度額だったわけですから、その増額は、考えようによっては憂うべきことなのです。

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